こんにちは、おかちゃんせんせいです!
前回の記事で科学的根拠について書きました。
科学的根拠って何?今回は検証したいと思っていることについて整理してみます。
目次
マグネシウムを洗剤の代わりにはならない?
実は今検証しようと思っている
「マグネシウムを洗剤の代わりに用いることができるのか?」
について、消費者庁的には無意味だとしています。
これは以前話題になった洗たくマグちゃんについて、消費者庁は2021年4月27日付で景品表示法違反にあたるとして、販売元の宮本製作所に再発防止命令を下しています。
確かに、文章を見る限りでは消費者庁の指摘はごもっともで、効果に対する根拠資料が提示できないのであれば、効果として謳っている内容はでまかせと言われても仕方ない感じ。
ある記事では実際に検証しているものもあり、読んでみる価値は十分にあると感じました。
アルカリ水は洗浄力がある?
マグネシウムが洗剤の代わりとして使えるか使えないかの論点は、
「マグネシウムが水に溶けてアルカリ水になるかどうか?」
という一点に絞られます。
つまり、そもそもなぜアルカリ水は洗浄力があると言えるのかを理解すること。
そして、マグネシウムがどういった条件下で水に溶けてアルカリ性を示すのかを理解することが、マグネシウムが洗剤の代わりになるかどうか検証する上で重要になります。
まずは前者について。
アルカリ水が洗浄力があるのは酸性の汚れに対してで、中和することで汚れを落とす効果が期待できます。
洗濯物で汚れを落としたいものの代表は、手あかなどの人間由来の汚れや、食べこぼしや油汚れなどなのでアルカリ性が洗剤には適していることがわかります。
アルカリ性であれば何でもOKというわけでもなく、pHが重曹くらいの8〜9前後ですと軽い油汚れぐらいしか落ちないとされています。
ただし、大前提として理解しておきたいのは
洗浄力はpHだけに依存するわけではない
ということです。
主に着目したいのがpHと水温・濃度の3つです。
だからこそ、洗浄力についてpHだけで検証するのは不十分で、水温や濃度との関係も考慮することが大事になります。
なぜなら、温度が上がることで水に溶けやすくなったり、分解速度が上がったり、濃度によってもpHは変動したりするからです。
マグネシウムが水に反応したらどうなる?
先ほどご紹介したブログでも検証していましたように、単純にマグネシウムの量を増えれば水と反応して、Mg(OH)2 (水酸化マグネシウム)と水素を発生する量が増えます。
Mg + 2H2O → Mg(OH)2 + H2↑
さらに水酸化マグネシウムが電離(イオン化)すると、水酸化マグネシウムは最終的にマグネシウムイオンとOH–(水酸化物イオン)へと反応します。
Mg(OH)2 ⇨ Mg2+ + 2OH–
この水酸化物イオンOH–が水溶液中で増えると、水はアルカリ性へと傾いていきます。
つまり、マグネシウムの量を増やせば、最終的に水溶液中の水酸化物イオンOH–濃度が増加するため、アルカリ性にどんどん傾いていくのです。
また、このマグネシウムは常温ではほとんど溶けず、高温にすることで溶けやすくなる性質があります。
温度が高ければ高いほど、水に溶けたときの水酸化物イオンOH–濃度は増加する傾向があるので、pHの話をするのであれば濃度や温度も考慮する必要がある、というわけです。
今回は化学の話になりましたが、いかがでしたでしょうか?
結構日常生活でよく目の当たりにする現象や、使っている商品などは化学の基礎知識があるだけで、ざっくりだけでも理解することができます。
例えば、当たり前に酸性雨という言葉が使われていますが、みなさんは雨が酸性であるのは最初の15分くらいだけだと知っていますか?
そのことが理解できていれば、酸性雨で気にするべきは降り始めの雨と、久しぶりに降る雨であることがわかります。
また、地域によっては酸性雨ではなく、アルカリ雨なところもあり、それも化学の基本知識があると理解の手助けになります。
今回はマグネシウムを中心とした話になりましたので、次回は検証してみたいことについて記事にまとめたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!