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【MM小冊子】わからないからはじまる人生もある~3.マップを描く上で最も大事なこと~
きっかけ
主人公:Nさん
2013年11月に東京都で講座を開催した後、Nさんから「終わったあと、相談に乗っていただけませんか?」ととても深刻そうに仰っていたので、最初は今日の内容がわからなすぎて悩んでいるのかなっと思っていました。
終わった後、会場近くのマクドナルドでお話をすることに。
そして、実際に話を聴いてみると、マインドマップに関連する悩みだけではなく個人的な悩みで……しかも前日死にたいと思うくらいかなり深刻な悩みだったのです。
一通り悩みを聴いているときに私自身感じたことがありました。
それが、「私には彼女の気持ちは理解できない」でした。
なぜなら、そもそも死にたいって思ったことが一度も私自身なかったから。わかったつもりになっても私の自己満足で終わりそうだったから。
その上で、
自分だったらどうする?
って問いかけみて、彼女にお願いしてみることにしました。
「せっかくなので、今日描いたマップを見せていただいてもいいですか?」
「う、うん。いいですよ。……どうぞ」
「ありがとうございます!」
そして、10枚近く描いたマップを見させていただいたところ、それぞれに共通するキーワードがありました。
そのキーワードがなんだったのかは忘れてしまいましたが、とっても前向きなキーワードだったという印象だけは覚えています。
それは、死にたいと思っていた彼女から出てくるとは思えないようなキーワード――。
「マップを見る限り、どのマップにも共通するようなとっても前向きなキーワードがあるんですが……」
「んっ、どのワードですか?……本当だ!? なんでだろう??」
「せっかくなので、このキーワードを見た上で今感じることをマップに描いてみませんか?」
「そうですね……せっかくなので描いてみます!」
そう言っているときの彼女は、先ほど話しているときの表情とは打って変わってどこか安心した表情に。
そして、実際に描き始めて5分も経たないうちに、まだセントラルイメージを描いている段階で――
「あっ!? おかちゃん、わかった!!」
「!? 何がわかったんですか?」
「言葉には出来ないんだけど、なんか吹っ切れたよ、おかちゃん!!」
涙を突然流した後に、そうやってめちゃくちゃ素敵な笑顔で言う彼女を見て、安心するホッと自分がいた反面――
「でも、なんで吹っ切れたのかわからないと、今度は私がモヤモヤしてきたのですが……」
「えっ!? おかちゃんならそうなっても大丈夫でしょ! 問題ない! あっ、なんかそれよりもお腹空いてきたんだけど、おかちゃん。どこか食べにいかない?」
「………」
その後
今でもあのときのことを思い出すと、なんで彼女自身が納得できたのかを私が納得できていなかったときの疑問がわいてきます。
つまり、なんで問題解決できたのかよくわからないという(笑)
こういったことって、よくあるあるで。
つい先日もマインドマップの話題ではありませんでしたが、突然悩んでいた相手の方がNさんと同じように「わかったよ、おかちゃん!」と言い出したことがありました。
こういった事例に何度も遭遇し、その後楽しそうに笑顔でいる相手の方と一緒に行動して気付いたことがあります。
それは、相手が悩んでいるときに、悩みを解決するのは私ではないということ。
だから、仮に相手が問題をなぜ解決できたのかわからなかったとしても、それでOK。
別に自分はコーチでもなければ、カウンセラーでもないスタンスでいるので、逆にそれがよかったのかもしれません。
ポイント
今回の事例のポイントは、感じるです。
頭の中でグルグル考えているだけでは、考え込んでしまってグルグルと同じ思考がループし続けてしまい、いつまで経っても前に進めないときがあります。
どういうことかと言うと、考えれば考えるほど悩みが深くなり、その悩みを解決しようとすればするほどさらに考え込んでしまうのです。
こんなときどうすれば良いかというと、ただ感じることをすれば良いです。
しかし、悩んでいる人に「感じるだけで良いのです」といったところで、今度は悩みの対象が「感じるって何?」になるだけ。
だから、あなた自身がどんなときなら考えるよりも感じることに集中できるのか?を知っていることが現状に向き合うための鍵になります。
私なら、スポーツをしたり、歌を歌ったり、歩いたり、自転車に乗ったりしているときは、感じることに集中できていることが多いです。
だから、考え込む無限ループにはまってしまったと気付いたときには、まずは感じることを意識することで実際に自然と行動できるようになっています。
あなたならどんなとき考えるより感じることに集中できますか?
補足として1点。
この話をすると、「じゃあ考えることって良くないんですか?」というご質問を受けます。
良いか悪いかの判断は、正直どの基準で物事を捉えるかで変わっていくもの。
ということは、現状次第で考える場面なのか、感じる場面なのかを選択することが大切なのではないでしょうか。
考えすぎると深みにはまって抜け出せなくなりやすいし、逆に感じことだけしていると感じすぎて状況に振り回されやすくなりがち。
以前友人から聴いた話によると、感じることばかり重視していた女性が、周りの人がきこえないようないろんな声を聴こえるようになったそうです。
しかし、しだいにあまりにも聴こえるようになりすぎて、逆に落ち着くことができなくなり苦しさのあまりうつ病になってしまったのです。
この話を聴いて、改めて考えると感じるのバランスが重要なんだと再認識しました。