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妄想講演会 第9回「前提は何?」

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まえがき

今回のテーマは「前提」です。

前提は何?

回数を重ねてきた講演会ですが、有難いことに毎回感想やご質問をいただいております。
それは、君たちだけではなくて、先生や保護者のように大人たちからも。

ご質問に対して、全部回答できるわけではないですが、似たようなテーマごとにまとめてお伝えさせていただきますね。

さて、今回はみんなや先生から一番多かった質問を取り上げたいと思います。
「情報の波に流されず、波に乗ることの大切さは伝わりました。けれど、正しい情報の見極めが出来ず、知らない間に流されてしまっています。どうしたら、情報の正しさが判断できるようになるでしょうか?」と言うご質問です。

これと似たような質問が多かったのですが、要約すると「正しい情報を知りたい」と言うことですね。

まず、最初に結論からお伝えしましょう。
「正しい情報なんてない」です——あれ? なんでみんな固まっているんですか?

もう少し言葉を補足すると、「みんなにとって正しい情報なんてない」です。

この正しいという言葉ですが、国によって、立場によって、人によって異なります。
歴史のテーマの際にもお話しましたが、勝者が語る歴史と、弱者が語る歴史は見方が正反対になっています。

妄想講演会 第1回「歴史」



ということは、同じ出来事を語ったとしても、両者で語られている内容は異なる可能性が高い。
つまり、万人にとって正しいかどうかで物事を判断しようとするから、みんないろんな意見があって迷ってしまうのです。
どんな情報か見抜くためは、正しいかどうかではなく、正確には誰にとって正しい情報なのかを見抜く必要があります。

そのための正しいアプローチというのはありませんが、あくまで私が普段意識していることをベースにしてお伝えしますので、それを踏まえて後ほどケーススタディをやってみましょう。

まず、私が意識しているポイントは4つあります。

①前提は何か?

②発信者や情報源はどこか?

③混乱するような情報を流していないか?

④数値やグラフは見せ方次第

ミスリードの情報なのかどうかは、ほぼ①と②で判断できます。
ただ、問題なのは②。
権力や発言力がある人が発信源だとすると、発信者にとっても都合の悪い情報は、徹底的に揉み消されます。
歴史と同じですね。

でも、揉み消されたとしても必ず痕跡は残るものです。
なぜなら、何者かにとって都合の良いように捻じ曲げた情報には、必ず違和感が残ってしまうのです。
その捻じ曲げるときに多用されるのが、③と④のコンビプレー。

たとえば、テレビや新聞で「○○病で重傷者が1ヶ月で10人も出ています」と、デカデカと放送・発行したとします。
すると、テレビや新聞信者の方は、「そんなに○○病ってヤバイ病気なんだ」と思惑通りにそのまま受け取って、不安に駆られます。

不安に駆られたらどうなると思いますか?
おそらく専門家や政府などの権力者の意見に、耳を傾けるようになるでしょう。

「テレビで○○が言っているんだから間違いない」
と安易に考えてしまい、言われたことにただ従うだけになります。

そうなると、どうなりますか?
考えなくても従っていればいい思考の人たちが、何言われても従う操り人形となっていくのです。

そして、周りにそういう人が増えてくると、メディアは「周りのために」とか「協調を大切に」という日本人が弱い言葉を巧みに操り、どんどん操り人形を量産していく。
すると、気が付いたら「みんながやっていること」=「正しいこと」という認識が芽生えてくるのです。

振り込め詐欺よりも、規模が大きい素晴らしい詐欺の手口ですね。

実は、この流れって歴史的によく使われている手口で、戦争を引き起こすためには必ずこの一連の流れが起こされているんですよ。

だからこそ、今ここで決断するときなのです。

改めて尋ねます。
みんなはどうありたいですか?

権力者の思う我慢に操られて自由がまったくなくなってもいいから、考えなくてもいい生活を送りたいですか?
それとも、周りがどうこうではなく、自分の想いを大事にできる生活を送りたいですか?

決めるのはみんな自身です。

情報を受け取ったときに、自分にとって都合の悪い情報は捨てればいい。
ただ、情報の分析に迷ったときは、①〜④までを冷静になって考えてみること。

そして、考える前に一番大事にしてほしいのが、情報を受け取ったときの自分の感覚です。
違和感があるのかないのか?

この違和感は、普段から自分で考える力を養っておけばおくほど精度が上がります。
たいてい違和感があるときには、①〜④を整理していくと、捻じ曲げられた情報であると気付く可能性が極めて高いでしょう。

では、ケーススタディを始める前に、①についてだけ補足しておきます。

前提は何か?
ということですが、仮説にしても何にしても「○○がこうなるのは、××が原因である」というのが前提になります。

この前提を基にして、情報は構築されているので、前提は情報の肝となる大事な部分です。
この前提がそもそも捻じ曲げられていたり、誇張していたりすると、そこから導かれる答えはどうなりますか?

面白いくらい的外れな情報が出来上がります。

その主な典型的な例は、明治以降の日本ですと、

・日清戦争での脚気問題

・水俣病問題

・学校での焼却炉問題

・子宮がん検査問題

・CO2削減問題

・東日本大震災での放射能問題

・令和初頭の新型コロナ問題

世界でいうと、
・キューバをめぐるアメリカとスペイン間での米西戦争

・真珠湾攻撃から太平洋戦争

・9.11事件からのアメリカとイラン間での戦争
などなど。

歴史を紐解いていけば、戦争における今の常識は、作られたもの——演出されたものだとすぐにわかります。
逆にだからこそ、日本の歴史の教科書はつまらなくなるように仕組まれている、と私は推測しています。
だって、歴史は暗記教科と思わせたり、全然話の筋が通ってなかったり、意図的に省略していたりする時代があったりしますから。

つまらないと感じると、みんなはどうなりますか?
きっと歴史の授業は嫌いになっていくでしょう。
そうなると、歴史に興味がなくなれば、歴史から学べることを学べなくなるのと同時に、裏の歴史に気付く人が出なくなるという……

ご多分に漏れず、私も高校に入るまで歴史は大嫌いで、歴史という言葉を聞くだけで毛嫌いしていた一人です。
どんな選択をみんながするにしても、歴史のことを学んだ上で判断してほしいと思う今日この頃です。

話が長くなってしまいましたが、最後にケーススタディをしたいと思います。
みんなの日常生活の中で、疑問に思っていることがあるけれど、そのことについてどう判断したらいいか迷っていることがある方はいますか?

……

……

……はい、そこの女の子。まず、あなたが疑問に思っていることはなんですか?

「実は、ずっと疑問に思っていたことがあります。『健康維持のためには栄養バランスが大事』ってよく親に言われるんですが、それって本当なのかなって」

なるほど〜。

ちなみに、そう思ったきっかけはありますか?

「これ、というのはないんですが……あ、違和感を初めて認識したのは、健康にものすごく気を遣っていた従妹の母親が、先日若くして身体を悪くして入院したのを知ったときかもしれません。栄養バランスとカロリー量をいつもきっちり管理していたのに……」

確かにそれは疑問になりますね。
『栄養バランスが大事』という話は私もよく聞きますが、考えるテーマとしては最適です。
では、①の前提のところは一緒に考えてみましょう。
この話の前提はなんだかわかりますか?

「はい。『健康になるためには、栄養バランスが大事である』というのが前提です。ということは、『栄養バランスを大事にしていれば、健康になれる』というのも前提でしょう?」

君は飲み込みが早い。
素晴らしい質問ですね。
双方で成り立つことが言えれば、その仮説は正しいと言えるでしょう。
逆に言えなければ……ということです。

この場では②以降については、各自で考えてみてください。
考えるときのヒントは、仮説が成り立つと過程して話を整理してみることです。

そして、仮説が成り立たないとしたら——といった感じで話を展開していくのです。
宿題ではないのでやりたいと思った人だけでもちろんOKですよ。
考えてみた人は、是非私に教えてくださいね。


ご清聴ありがとうございました。

あとがき

この話は、以前はじまりの書で情報分析で話題にしました。

はじまりの書〜分析の章 Vol1. 心構え編〜


大事な話だと思うので、講演会で再度ピックアップすることに。

普段から自分自身の日常生活について、考えるきっかけは少ないかと思います。

ぼく自身の学生時代までを振り返ってみても、日常生活のことを考える時間は皆無。
その時々湧き上がる感情に振り回されっぱなしだったので・・・。

特に、近年は簡単に情報が入手できるようになったため、ますますいろんな情報に振り回されやすくなっています。

今回のテーマである「前提」を意識して、情報を冷静に受け止めるきっかけにしていただければ幸いです。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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