目次
まえがき
今回のテーマは「感じる」です。
ぼくが最も苦手だと思ってきたことです。
感じるって言葉は当然のようにみんな知っていますが、感じるってどういうことなのか?
自分の得意な感覚や苦手な感覚は何なのか?
よほど縁がない限りは、そんなこと考えることがなく大人になります。
けれど、そういうことほど大切なことがあるのではないでしょうか。
感じる
今日は何度もみんなにお伝えした中で、一番ふわっとしたテーマである【感じる】についてお話したいと思います。
これまでも感じることは大事とお伝えしてはきましたが、感じるという感覚がなかなかイメージできない子もいるかもしれません。
一般的に言われて感覚は、味覚・触覚・視覚・聴覚・嗅覚の五感です。 思考に大きな影響を与えやすいのは目から入ってくる情報ーーつまり、視覚と言われています。
しかし、人それぞれ個性があるように、優位に働く感覚は人それぞれです。
たとえば、私は耳から入ってくる情報には特に敏感で、見ているだけでは記憶に残りにくい傾向があります。
友人の中には、一度見た情報はカメラでシャッターを押したかのように、鮮明に覚えている友人がいます。
一方で、見たり聞いたりしただけではすぐに理解できない。けれど、一度聞いたことを紙に書くと理解できる友人もいます。
何が言いたいのかといいますと、みんなは自分の得意な感覚は知っていますか?
そして、それを日常生活で活かすことができていますか?
暗記教科だからといって、ただ線を引いて目で見ただけで覚えようとしていませんか?
記憶のスイッチを入れる方法は人それぞれ異なります。
もしみんなが勉強ができるようになりたいのであれば、得意な感覚を知っていることがポイントになります。
なので、どんなに素晴らしく分かりやすい勉強法・参考書があったとしても、それを落とし込めるような環境が自分になければ、ただの宝の持ち腐れに終わってしまいます。
私の場合、大学受験のときに、わかりやすい参考書を買い漁り、成果に繋げることができなかった本たちがどれだけあったか……
手っ取り早く理解したい気持ちはすごく分かる。
みんなの中にも、私と同じ気持ちの子もいるかもしれません。
分かりやすい参考書は、見ただけではただの見栄えが良い本でしかなくて、知識としてみんなの身体に昇華、吸収できて、初めて活用できるようになるのです。
自分の得意な感覚というのは、日常生活を振り返ってみれば気付くことができますが……今回はあえて非日常で気付くことができる場所をご紹介したいと思います。
みんなは本当に何も見えない真っ暗闇に行ったことはありますか?
通常どんな暗闇でも、目が慣れてくると多少見えてくると思います。
しかし、そこではどれだけ目を凝らしても、見えるようにならないんです。
最初私がそこに行ったときには、最初恐怖心がじわじわ湧いてきました。
「迷子になったらどうしよう?」
「このまま抜け出せなかったどうしよう?」
そんなことがおそらく10分くらい経過したあと、さすがにもう見えるようになることは諦めました。
すると、周囲の音が今までにないくらいクリアに聴こえてきて、しだいにわずかな音から周囲の状況を把握できるようになってきたのです。
つまり、あえて自分が当たり前に使っている視覚情報を遮断することで、自分の感覚が研ぎ澄まされ、自己対話できるきっかけになるところがあります。
気になった子はダイアログ・イン・ザ・ダークというキーワードで調べてみてください。
あ、一応断っておきますが、別にみんなに勉強を勧めているわけではありませんよ。
ただ、自分に合わない方法で頑張って覚えようとして、覚えられなくて悩んでいる子どもたちをこれまでたくさん見てきました。
「何度勉強しても分からない……」
「やっぱり自分は勉強できないんだ……」
と言って……。
別にそれでいい子は、それで終わってもいいでしょう。
けれど、進学したい学校がある子にとっては、そのための手段として勉強が必要な子は是非諦めないでください。
なんのために自分は勉強するのか?
まずは、自分の気持ちをもう一度確かめてみてはどうかな?
親や先生に言われたわけではなく、ただ周りが進学するからではなく、なぜ俺はーー私は進学したいのか?
そのあなたにしかない想いは原動力となり、勉強に向き合う姿勢が変わっていきます。
知識は知恵として使いこなせるようになって、初めて勉強以外の日常生活でも活かすことができます。
知識を知恵へと昇華するためには、覚え方にしても、解き方にしても、あなたに合ったアプローチが必ずあります。 試行錯誤しながら探していきましょう。
ちなみに、これは真似しない方がいいと思いますが、勉強が捗る手段として私は好きなビデオを流しながら勉強していました。
結果的にですが、主に耳からの情報(好きなアニメ)と勉強の内容をリンクさせることにより、覚えようとした情報が後から引き出しやすい記憶として定着させることに繋がりました。
なんせ好きなアニメは繰り返し何度も観ているので、当時は台詞やシーンをすぐに思い出せるんです。
そして、ついでにそのアニメを観ているときに勉強していた内容が、芋づる式に思い出せれるという。
安易に真似しないでくださいね。
これは私が得意な聴覚を活かせただけですから。
つまり、自分に合った勉強法のキーワードは、「好きなこと」×「勉強」×「得意な感覚」の組み合わせ。
あなたの好きなことは参考書には決して載っていませんよね?
今回の話は勉強に関する内容になりましたが、これは何も勉強に限ったことではありませんよ。
先ほどのキーワード「好きなこと」と掛け合わせるものを変えるだけで、他のことにも活かすことが可能になります。
スポーツにしたって、料理にしたって、手芸にしたって。
組み合わせは無限大です。
みんなオリジナルの組み合わせを発見したら、是非私にこっそり教えてくださいね。
みんなが日常生活を楽しむため、充実させるためにどんな工夫をするのか?
報告を楽しみにお待ちしています。
ご清聴ありがとうございました。
あとがき
感じることに目を背けると、だんだん自分自身が苦しくなっていきます。
ただ、どうしても小さい頃から感情を押し殺すことが良いことだと教わってきた土台があると、その状態が当たり前になってしまいがちです。
苦しく感じることが良い悪いではなく、一番怖いのはそう感じることができなくなること。
自分は何を大切にするのか、みなさんにとって改めて考えるきっかけになれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!