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妄想講演会 第13回「聞こえの良い言葉」

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【まとめ記事】

現在、これまで書いてきた記事をテーマ別にまとめています。

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まえがき

今回のテーマである「聞こえの良い言葉」は、ぼくが特にお伝えしたいことの一つです。

都合の良い言葉

今回取り扱うテーマは、いつの間にか世間の常識になっている「言葉」になります。

言葉には辞書的な意味の他に、その言葉に対して私たちは独自のイメージ付けをしています。

例えば、みんなにとっては身近な「受験」という言葉。
このフレーズを聞くと、みんなはどんなことを感じますか?

……

……

……

はい、そちらの眼鏡をかけた女の子!
どんなことを感じましたか?

「おかちゃんせんせいから『受験』という言葉が出た瞬間……意識的にはパタっと耳を塞いでいました」

それはどうしてだと思う?

「私が中2で、きっとまだ受験のことを考えたくないのかもしれません。なので、『受験』にはあまり良いイメージはありません」

なるほど、そういうことだったのですね。
教えてくれてありがとう!

『受験』という辞書的な意味には、当然ながら良い悪いのイメージというのはありません。
なにせ『受験』の辞書的な意味は「試験を受けること」だから。

他の言葉も同様です。
それが例えネガティブな意味のある言葉であろうと、ポジティブな意味のある言葉であろうと変わりません。

ある言葉に対して、私たちがそれぞれ独自の意味付け・イメージ付けをしているだけです。

そして、このイメージ付けは、みんな自身の日常生活の中で常に形成され続けています。


以上のことを踏まえて、早速本題に入るね。

『エコ』という言葉を聞いて、みんなはどう感じる?
また、「エコな商品」というキャッチフレーズに対して、どんな印象がある?

「地球に優しいイメージがあります」
「環境に考慮している商品な感じがします」
「なんかやらなければならない気がします」

おっ、今やらなければならない気がするって言ったそこの彼。
どうしてそんな気がするの?

「どうしてって……。なんかそんな気がしたっていうくらいしか」

そっかぁ、いきなり訊かれても困るよな。

じゃあ質問を変えるよ。
エコを謳ってる商品とそうでない商品。ほとんど性能に差がないとしたがら、君ならどちらを買う?
理由も教えてもらえるかな?

「それなら、エコな商品を買いますね。どうせ買うなら、さっき他の人が答えていたように地球に優しい商品を選ぶと思います」

エコな商品を選ぶ、と。 みんなもそうかな?
じゃあ、今度はみんなへの問いかけだよ。

なんでエコな商品だと、地球に優しいと思ったのかな?

以前この問いかけをした時に、ある生徒はこう答えてくれました。
「エコだから、環境に、地球に優しいんですよね?」と。

その返答にはその場にいたみんなが頷いていたんだけど・・・
この反応——つまり、エコ=地球に優しいと信じ込んでしまっている反応が、私にはとても疑問に感じました。  

なぜだかわかりますか?

何がどのように地球に優しいのか、誰も何も確認していないのに、エコという言葉を使っているだけで、良いものだと錯覚してしまっているから。

この言葉と同様な言葉が、環境保護とか環境保全とか持続可能とかです。
環境保護している団体と聞けば、おそらくみんなは「あぁ良いことしている団体なんだな」と思うかもしれません。

環境保護地区に指定されていれば、みんなの想像するような環境に優しい場所だと思うかもしれません。
けれど、本当にそうなのか、自分なりに調べてみたことがある子はいるかな?

……

……

……

ちなみに、先生方はどうでしょうか?

……

……

……

誰も手を挙げていませんね。
この現状は、今回テーマにあげた『いつの間にか世間の常識になっている「言葉」』を、ここにいるみんなが認識しているため起きています。

私はそういった言葉のことを、【聞こえの良い言葉】と表現しています。

いつの間にか言葉に対するイメージが刷り込まれていて、考えることもなく信じてしまっているのです。
私自身はこういった状況は危惧しています。

私たち大人が自分で考えなくなってしまっているから、当然子どもたちもその姿を見て成長してしまうから。

ちょっと偏った考えかもしれませんが、世の中的に良いという風潮の物事は、一歩引いて疑問に思った方が良いです。
もちろんその逆も然りで、一方的に悪者扱いしている物事についても同様です。

私たちはついTVや新聞などで報道されている内容が真実だと、安易に信じ込んでしまう傾向があります。

理由はいろいろあるかと思いますが、 「みんな一緒がいい」 「空気を読んだ方がいい」 「偉い人の言っていることが正しい」 などと思っていた方が楽なのかもしれません。
あれこれ考えなくて済みますから。

でも、本当にそれでいいのでしょうか?

何を信じるかはみんな自身で決めることができます。
それを手放して、誰かに依存する。

そういった姿勢がみんな自身にどんな影響を及ぼすのか?

または、すでに及ぼしているのか、今一度考え直してみないか?

もちろん「長いものには巻かれろ」という言葉のような姿勢をとることに、良し悪しはありません。
ただ、この講演会で何度もお伝えしていますが、どんなことであってもまずは自分で考えてみることが大切です。  

自分で考えていないことは責任がないから、常に誰かに依存します。
そうすると、あなたの機嫌は周りの環境次第ということになり、常に周囲の変化に翻弄され続けます。

そのことがしっかり認識した上で選ぶ。
私なら、俺なら、僕ならどうする?
どんな時でも、自分自身に問いかける習慣をつけましょう。

自分自身で選んだと認識できていれば、自分の行動や言動に責任が持てます。
責任を持つことができるようになるからこそ、自信を持つことができるようになります。

あなた自身しか味わうことのできない一生を、簡単に第3者に手放さないでくださいね。


ご静聴いただき、ありがとうございました。

あとがき

「聞こえの良い言葉」は話し手の意図がなかったとしても、依存を生みやすい言葉です。

なぜならみんなが大好きだったり、憧れたり、望んでいたりする言葉だから、何も考えずに信じてしまう。
でも、お互い同じ言葉を使って話していても、その言葉に込められている想いや意図を感じてみると、実は違うということがわかります。

言葉だけではなかなか伝わりにくい話だと思うので、何度も伝え方を変えてお伝えし続けていきたいと思います!


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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