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ぼくは昔から物覚えや要領が悪くて、覚えたいことをなかなか習得することができないことが悩みでした。
同じタイミングで教わっても、周りの友人たちはすぐにできるようになり、自分だけが取り残されてしまう焦燥感に駆られていたことを今でも思い出します。
浪人時代に受験勉強がなかなか捗らず、予備校に通いながら理解しやすそうな参考書を探し歩く毎日。
けれど、結局購入した参考書がどれも未消化で終わり、現役の時からほとんど進歩なく、受験失敗。
大学時代に化学実験の方法を教わっている時も、真剣に教わってメモを取っていたのにも関わらず、一連の流れが理解できず失敗続き。
当然マインドマップを学んだ時も、講座中は全然思うように理解できず、頭痛が起きる始末・・・(T . T)
そんな経験があるぼくだからこそ、学習する上で重要になるポイントや、どんな落とし穴があるのかお伝えできることがあると思い、記事で公開することにしました。
今回は概要編になります。
落とし穴「分かりやすいと理解しやすいという思いこみ」
まず、何かを学習する上で、一番の障害になることは分かりやすいと理解しやすいという思いこみです。
参考書にしても、人の話にしても分かりやすいと感じる方が理解しやすいと思っていませんか?
実は、これは落とし穴になる可能性の高いものの一つだったりします。
それはなぜかというと、分かりやすい話を聴いたり、文書を読んだりすると、理解できたつもりになって自分に落とし込むことを怠りがちだからです。
当然ですが、分かりやすいと感じるということは、それだけ噛み砕いて説明しているから。
だから、その話に関しては分かりやすくて覚えていたとしても、それだけではまだ他に応用が効かない状態なのです。
なぜだと思いますか?
それはただ話を聴いただけ、知っただけでは、どうやって噛み砕いたらいいのか腑に落ちていないので、再現性がないから。
ありがちな例え話で言うと、美味しい魚は与えてもらっただけでは、その釣り方は分かっていないから自分では釣る事ができないって事です。
分かりやすい話を聴くとつい理解したつもりになってしまい、自分で再現できない状態をつくってしまいがち、ということになります。
再現性を高めるためにはどうすればいい?
再現性を高めるために自発的にできることって、実は特別なことはないです。
誰でも知っていること——つまり、反復練習です。
脳は生死に関わらない情報は通常短期記憶として処理され、次第に記憶からは薄れていきます。
生死に関わらない情報以外でもインパクトのある情報は、長期記憶されやすい。
じゃあ、どうしたら生死に関わらず、かつ、インパクトがない情報を長期記憶として定着しやすくなるのでしょうか?
キーワードはいくつかありますが、先ほども述べましたようにただ知っただけでは、自分で再現する事が難しいと言うこと。
それは、これまでやったことのないことであれば、なおさらです。
子どもだって、自転車に乗ったらいきなり乗りこなす事ができるようにはなりませんよね?
それに、スポーツだって、例えば初めてバレーボールのことを知ったら、すぐに手本のようなスパイクやサーブ、レシーブができるようになるでしょうか?
だからこそ、学んだ知識を使いこなす事ができるように知恵に変えるためには、他に大事な事があります。
再現性を高めるために重要なキーワード——それは、バリエーションを組み合わせて普段全く違う刺激を加えるです。
あるサッカーの実験によると、反復練習だけのグループよりも、反復も修正もしないグループの方がパフォーマンスの向上が見られたようです。
単純な反復は刺激が足りない?
以前マインドマップに関する記事でもご紹介しましたが、脳は単純な状態が続くと、思考が低下すると言われています。
【MM教室】第2回(概要編)マインドマップが創られた背景そして、先ほどピックアップいたしました記事は「反復は効果的な学習を妨げる」ことに関するもので、こうも書いてありました。
脳は同じ刺激を3回経験するとその刺激にほぼ適応してしまう
Prof. Dr. Schöllhorn
脳というのは、その意味でかなりバカな存在といいわなければならず、「知っている」と判断したものを記憶しようとはしないのです。
2012年 フォレスト出版 苫米地英人『「イヤな気持ち」を消す技術』
つまり、ただ反復すれば効果的な学習ができるわけではない、ということです。
このことは、別に権威ある人が言っていたり、実証されていなくても、そのことは本当は誰もが身を持って体感していることです。
なぜなら、単純でつまらないと感じていることを楽しめますか?
つまらないことを無理やりやる気を起こそうと奮起したとして、長続きしそうでしょうか?
上記の問いに対する答えが、効果的な学習を考える上でのヒントになります。
自分の現状や目的がわからなくなるのはなぜ?
学習したいことによってアプローチは異なりますが、根本的なベースとなるところは同じです。
ベースとなるところ——それは、自分の現状・目的にアンテナを張ること。
一番ナンセンスなのは、自分以外の現状や目的に左右されてしまうことです。
例えば、あなたがカレーライスを食べたかったとします。
けれど、周りの友達がラーメンを食べたいという話になった時、本当はカレーライスが食べたかったけれど周りに合わせました。
そんな状況が何度も続くと、次第に本当は自分が何が好きなのか分からなくなり、誰か自分を引っ張ってくれるような存在に依存するようになります。
そして、自分で考えることをやめてしまいます。
また、自分に合わないもの(情報)を取り続けても、自分の現状に合わなければ活用できずに終わってしまいがちです。
この自分の現状に合わないというのは、目で見えて分からない事が多いので判断がつき難くもあります。
もし自分の現状・目的に合った行動をしたいと思う場合、参考にしていただきたい話がSourceとResourceの違いです。
SourceとResourceの違い
- Source(ソース):もと、源、起点、水源➡️何かが出てくる場所を意味する
- Resource(リソース):資源、資産、供給源➡️役に立つ、価値があるものを意味する
ソースとリソースは似てるけど、意味合いは全然違います。
燃料で言うと、ソースが原油。リソースがガソリンになります。
どれだけ資源である原油があったとしても、乗用車の燃料として原油は不適ですよね?
当然、オイルヒーターの燃料としても原油は不適です。
つまり、資源(ソース)があったとしても、自分にとって利用できない状態ではリソースにはならず、活用できずに終わってしまうということです。
学習(練習)に置き換えると、ただ先生や講師が講話・板書していることをメモしているだけでは、それはまだソースの状態。
それを何も加工(工夫)しないで使おうとしても上手く使えず、「私には合わないかも・・・」と思い込んでしまいがちです(^^;
では、リソースにして、効果的な学習として活かすために何を心がければ良いのでしょうか?
ぼくはソースをリソースにするためには、「学習するときに、今どういう意識でいるか?」がとても肝心だと考えています。
リソース化のためにはインプットが重要
リソース化するためには、大前提として以下のことを学習することに意識しておくが肝心です。
- 今何を、何のために学ぶつもりでいるのか?
- 学んだことをどんなことに使いたいか?
- 学んだことをいつから試すつもりでいるのか?
これらのことを自分で考えずにただ相手の言われた通りに覚えようとしても、自分に合わなければ活用できないソースのままで終わってしまいます。
だからこそ、学習しようとした内容はすぐに活用できるように工夫してインプットし、リソース化することが大事です。
その際には、脳は物事を関連付けて記憶するという特性を意識してインプットします。
この紐付けが自分が活用したいようにできていればリソース化し生きた情報になります。
その一方で、ただ暗記しただけ、メモしただけの情報ではソース止まりで、単なる使えない死んだ情報になってしまうのです。
スポーツにしたって、例えばバスケで3Pシュートの練習をしていたとします。
ただ闇雲に3Pシュートを打ち続けるのと、いろんな状況を意識して打つ練習するのでは、試合の時にどちらが活かせそうでしょうか?
もしシュート練習であれば、
残り時間10秒。
点差は2点ビハインド。
この攻めが失敗すれば負ける。
という状況をイメージします。
そうすれば、一本に対する重みも変わるし、相手側が必死にディフェンスしてくることも想定した練習になるでしょう。
インプットの質——つまり、自分がどんなことを意識してマインドセットをしたのかが、その後のアウトプットの質を決めるのです。
ソースのリソース化は、ぼくにとってマインドマップを学び始めてからの課題です。
何かを学ぶと決めた時には、先ほどもお伝えしたいつも以下のことを意識しています。
- 今何を、何のために学ぶつもりでいるのか?
- 学んだことをどんなことに使いたいか?
- 学んだことをいつから試すつもりでいるのか?
次回は、ぼくがこれまで実践してきたことをベースにして、実践編としてソースのリソース化の具体的なアプローチについてお届けする予定です。
受験勉強や資格の勉強、学びたいと思ったことを日常生活で活かしたいと考えている方にとって、有益な情報となれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!