目次
【MM小冊子】わからないからはじまる人生もある~2.そもそもお互いの認識が違う~
きっかけ
主人公:なっちゃん
2014年3月に岩手県盛岡市で初めてマインドマップ講座をお伝えしたときのことです。そのときの講座には岩手県内以外からも秋田県や山形県からも参加してくださる方がいました。その中に、私が大尊敬しているなっちゃんもわざわざ山形県から参加してくださりました。
講座は以前基礎コースと呼んでいた初心者向けのコースだったので、マインドマップの描き方からお伝えさせていただくことに。
ほとんどの方は、マインドマップという言葉は知っているが、ほとんど自己流とのこと。
講座が始まって説明をしていく中で、なっちゃんが特にどこか険しそうな顔をされていたことを今でも覚えています。
そして、実際にマップを絵で描いていく段階になったときに、なっちゃんから質問をいただきました。
「おかちゃん、正直字を書くことにも抵抗があるんだけど……さらに絵を描くのは苦手すぎるからこんな感じでもよい?」
それでなっちゃんの絵を見せていただいたら、真ん中のイメージは笑顔の顔文字が単色で描いてあるだけ。
確かに、マインドマップの描き方だけをベースにしていたら、NGなのかもしれません。しかし……
「なっちゃんが描けるところまででOKですよ!」
「えっ!? それでいいの? だって、セントラルイメージはテーマからイメージした絵を描くんじゃあ……」
「はい、確かに描き方で言えばその通りです。しかし、マインドマップを最大限活用するために一番重要なことは、辛く描くことでも、無理やり描くことでもなく、自分にとって楽しんで思い描くことですので」
そうお伝えしたあとのなっちゃんの描いたマップは、先ほどは一転!
もちろんセントラルイメージは笑顔の顔文字のままでしたが、先ほどよりもブランチを楽しそうに広げていて、まるで別人のようでした。
その後
一通りお伝えする内容が終わった後の全体シェアのときになっちゃんから伺った話によると、どうやら質問のあとに私が話したことが苦手意識を吹っ切るキッカケになったとのこと。
その話とは、この冊子の序盤でお伝えした私自身の話で、私がそもそも絵を描くことやイメージすることが超苦手だったことでした。
後日談もあり、講座が終わってから1週間後くらいにある合宿先でまたなっちゃんと再会したときのこと。
「おかちゃん、ちょっと見てほしいものがあるんだけど——これなんだけどさ!」と楽しそうに言って見せてくれたのは、なんだったと思いますか?
そう、なんとセントラルイメージが顔文字以外のマインドマップの数々でした!
そして、極めつけは、そのセントラルイメージを自画自賛しているなっちゃんがw
ポイント
今回の事例のポイントは、現状把握です。
マインドマップを描いていて、もしかしたら最初に訪れる一番の難関が「他人と比較して出来るかどうか、出来ているかどうかを判断していること」に気付くことができるかどうか?なのかもしれません。
「相手と比較してどうこうではなく、自分が現状どこまでなら出来て、どこまで出来ないのか?」
「自分は何がわからなくて、何ならわかるのか?」などに向き合うことができて、初めて自分の現状がわかってくるものだと私は捉えています。
それなのに、終始相手の状況・状態だけしか見ないで自分のことを分かろうとしても、結局よくあるパターンが相手と比べて自分には不足していることばかり見つけてしまい、勝手に落ち込んでしまうことになりがちです。
かと言って、比較することが悪いという話ではありません。
どんなに比較してはダメだと仮に思ったとしても、結局わたしたちは他者や他のものを比較することによって物事を認識することができているので、否定しても余計に苦しなるだけです。
私がなっちゃんから学んだことは、自分の現状をどのように認識していてもそれを伝えても良いということです。
むしろ、伝えた方が相手に自分の状況がわかってもらいやすくなるし、なにより伝えてみることで自分のことがわかってくるものだと。
このときの経験があってから、より一層現状把握の大切さを自分自身でも意識するようになり、講座でもこのことを体験できるような時間になるように、毎回楽しんで工夫するキッカケにもなりました。
結果がわかりやすいもの(夢や目標など)の方が、達成した時のワクワク感や嬉しさを味わえてやりがいがあると思います。しかし、どんなに目的が明確になっても、自分が今いる現在地がわからなければどうやってその目的地に向かえばいいのか?判断しようがないと思いませんか?
目的や行動ばかり明確化するだけではいつまで経っても今後どうすればよいのか検討がつかないなるので、私は現状把握をいつかはやる必要があるものだと捉えています。