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【MM小冊子】カレーライスから閃いたツールの活かし方〜1.自分にとってになっているか?〜
前提を活かすための3つの前提
では、実際に『自分にとって』がわかってきた段階で、それをさらに活かすための3つの前提についてお伝えします。
その3つとは活かす・使い分ける・見返すになります。
この3つはシンプル過ぎて、しかも誰もが日常生活では実践できていることでもあります。
どういうことかと言うと、あまりにも当たり前になり過ぎて、日常生活では活かせていても、無意識に活かしていることだから仕事や自分自身のやりたいことには、活かせないパターンに陥っている人は少なくないと思います。
それぞれの意味していることや、陥りやすいパターンについて例題を交えながらご説明していきます。
まずは活かすについてです。
これはカレーライスで言うところの素材にあたります。
ここでいう素材とは、料理をするのに必要な食材のことをさします。
カレーライスの代表的な素材といえば、人参・じゃがいも・お肉・玉ねぎでしょう。
しかし、もしカレーライスを料理するだけなのに、本来なら必要のないコンニャクやさつまいも、春菊など他の食材も闇雲に集めてしまっていたとしたらどうなるでしょうか?
これが料理なら食材を目で見て確認できるので選別することが可能ですが、現実に夢や目標を達成するために仕入れた情報については形がないことが多いので、情報過多で逆に何を選択したら良いかわからなくなるのがオチです。
あなたが何かを学びにいくときにも、もし何か達成したい夢や目標があるのであれば、活かす前提で何を習得するのかについて事前にしっかり落とし込んでおく必要があります。
素材を活かすために重要になる2つのこと
「素材を活かす」という言葉があるように、折角仕入れた気付きや学びもしばらくほかっておけばすぐに腐って、使い物にならなくなってしまいます。
そこで、素材を活かすために重要となる2つのことについてご紹介したいと思います。
まず一つ目は、インプットの質です。
「アウトプットが大事だよ」「それもすぐにアウトプットすることが大切だよ」という話はみなさんもよく聴いたことがあるかと思います。
詳しい話については第3章『見返す』でお伝えしますが、確かに気付きや学びを自分のものにするためにはアウトプットすることが大事です。
そのことについて納得される人がほとんどなのにも関わらず、なかなか実践できない人が少なくないのはなぜでしょうか?
それはインプットの質が悪いから、アウトプットしたくでもできないのが主な原因だと考えています。
これは脳への記憶の仕組みが関係しているのですが、脳は物事を関連付けて記憶する特性があります。
つまり、情報を一つずつ別々に記憶するのではなく、関連するキーワード同士を結びつけて記憶していくので、思い出すときにも同じように思い出していきます。
たとえば、今からぼくが出すキーワードについて、イメージしていただけますでしょうか?すごく簡単なものです。
よろしいでしょうか?
『学校』
みなさんはどんなイメージをされましたでしょうか?
ぼくは今日高校生をたくさん見たので、高校時代のころを思い出しました。
部活や親が作ってくれた弁当など。
ここで話を一旦戻しますが、もし脳が単発に記憶するとしたら、ぼくが「『学校』をイメージしてください」と言ったとしても、「学校です」としか答えることができないはずです。
もっと身近な例で言うと、空っぽの冷蔵庫に一切れのショートケーキを入れました。
そのあと入っているのは何が入っていますでしょうか?
そう、マジックでない限り、一切れのショートケーキだけが入っているはずです。
脳はこういった単発に物事を記憶せずに、関連付けて記憶していくので、何か関連づいた一つのキーワードを思い出すと、それをキッカケに芋づる式に他の関連するキーワードを思い出す仕組みになっています。
ということは、もしたくさんの情報を何も紐付けることなくインプットしたとしたら、情報が錯乱しすぎて思い出しにくくなってしまうのです。
あなたのノートは活かせるノートになっていますか?
この一括詰め込みパターンになりやすい代表的なものとして、ノート取りがあります。
今まで10年以上マインドマップをお伝えさせていて、いろいろな方にご質問させていただくのが、「書いたノートを活かせていますか?」という話です。
統計をとったわけではありませんが、ほとんどの方が「書いたノートを活かせていない」というご返答いただきます。
なぜそうなってしまうかというと、黒板やホワイトボードに書いてある内容や先生・講師が話してある内容を、ただそのまま書いてしまっていることが原因だとぼくは考えています。
つまり、自分の基準もなく書いたノートなので、見返しても今の自分にとってどう活かしたら良いのか判断ができない状態になってしまっているということです。
活かしたいことがあるからそのことに焦点を当てて取ったノートと、ただ忘れるのが怖いから全部の内容をノートに書くのとでは、どちらのノートが自分にとってこれから活かすことのできるノートになると思いますか?
どうせ活かすなら、料理を作るときに素材を活かすのと同じようにノートも活かしてみませんか?
アウトプットの鮮度も大事になる
もう一点はアウトプットの鮮度です。
インプットした情報は一旦脳の中にある海馬に集められて、海馬によってある明確な基準によって入ってきた情報を長期記憶するかどうか判別されます。
その期間は約1ヶ月程度とされていて、長期記憶されなかった情報については短期記憶になるので、思い出しにくくなります。
長期記憶する期間は約1ヶ月あるとしても、日常生活を送っているとそれだけでも膨大な情報が脳の中に入ってきます。
さらに、脳には『脳の干渉』という現象によって、互いに類似した記憶が多いほど記憶しにくくなり、むしろ脳自体がそういった記憶を嫌がり排除する傾向によって、折角覚えた情報がまるでなかったかのようになる可能性もあるのです。
ということは、覚えた情報はすぐにでも使えるようにする必要があるのですが、そのときに脳は繰り返しアウトプットしたことを重要視するという特性を上手く利用して、自分のものとして定着させていくことが大切になります。
アウトプットの鮮度の決め手は、インプットの鮮度でもあります。
イメージは、新鮮なお寿司。
お寿司を出してもらう(インプット)、お寿司を食べる(アウトプット)。
あなたはお寿司を出してもらってから、どのくらい感覚をあけて食べますか?
5分後ですか?
1時間後ですか?
明日ですか?
それとも、1ヶ月後ですか?
時間の経過とともに、インプットした情報の鮮度は一気に落ちていきます。
理由をつけて先延ばしにするのはもちろん自由です。
しかし、先に延ばせば延ばすほど、インプットした情報は劣化していき、アウトプットの鮮度も著しく落ちます。
そのことを十分考慮しておくことが、何かを学習する上では最重要になります。
- 活かすためには、前提で何を習得するのかについて事前に向き合っておくこと。
- アウトプットの質はインプットの質が決める。
- アウトプットは鮮度が命。時間が経過すればするほど、インプットした情報は劣化する。